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2021/08/10(トピックス)

令和3年8月7日の研修会

 8月7日に、アバンセにて研修会が行われた。講義は、前半が財産管理契約・任意後見契約等について、後半が空き家・所有者不明土地と民法及び不動産登記法改正に関する研修であった。

 最初の講義では、講師から公証人の現場における現状と任意後見制度のメリットと活用について説明が行われた。任意後見制度は、自分が認知症などにより意思表示ができなくなった場合に備えて、自分自身で信頼できる人と契約して自らのライフプランに沿って財産管理などを行ってもらう制度である。法定後見と違って、自分の希望が反映されるところが大きな特長になっている。
 これから、超高齢社会に突入し、認知症の高齢者も増加すると考えられ、自分自身で生活を守っていく必要がある。その中で、任意後見制度の活用はこれから先の問題解決の一つの選択肢になることを再認識した。

 後半の講義は、空き家や所有者不明土地の問題に関する法改正の研修が行われた。現在、全国各地で地震や台風による空き家の倒壊のおそれが懸念され、治安や景観の問題が発生している。所有者不明土地は九州全土と同程度の広さがあり、災害からの復興や都市開発の妨げになっている。司法書士も業界としてその問題の解決に取り組んでおり、これらの対策として司法書士による土地所有者の調査、相続登記や住所変更登記の義務化により土地所有者を確実に把握するように法改正が行われている。また、相続した土地を一定の要件のもと放棄できるようにする制度の検討も進められている。
 現在、親から相続した不動産(特に田畑や山林)が不動産屋に相談しても売れる見込みがないため、相続登記もしないまま放置されたり、地元に残った子が仕方なく管理したりするケースが多くある。現在進められている法改正はこういった問題の解決に役立つと考えられる。

 今回の研修は、社会的に問題になっていて、司法書士にも深く関係のある分野の研修であった。制度や法律が整備されることで、相談者に説明する際の選択肢が増え、より希望に寄り添った解決に近づける。これからも研修会で得た知識を相談者に還元したいと思います。

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