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2010/10/06(トピックス)

成年法世界会議へ参加

 10月2〜4日、パシフィコ横浜(横浜市)において世界17ヶ国が参加して成年法世界会議があった。
 この会議は、現在成年後見制度(Adult Guardianship)を導入している国などから研究者や実務家が多数参加した。海外などから多数の報告があった。その中でも特にドイツにおいては、制度の普及が著しいことを知った。この制度の利用者が130万人(総人口は8900万人)であり、他国と比べるとその利用は顕著である。日本での利用が、169000件であることと比較するとその違いは明らかである。
 ドイツの制度は、日本の制度と違い、一元的制度であり、本人の判断能力の程度に応じ、家庭裁判所などにおいて柔軟に対応されている。また、利用者の経済的を軽減するため州政府がこの制度のため多額の負担をしている。その結果、州政府の負担が大きくその負担軽減を模索しているほどである。
 ドイツ以外には、イギリス、オーストリアなどヨーロッパやカナダ、アメリカなどアメリカ大陸、またオーストラリア、シンガポールや香港、台湾、韓国などアジアからの参加もあった。その他サモアからの参加もあった。
 成年後見制度は、今後、高齢者や精神的疾患で判断能力が低下した人々に取って欠かせない制度に成長していくことを確信した。
 しかし、反面、この制度は、判断能力が低下した人々の権利を奪う側面があることも強く認識する必要があることを改めて認識した。
 多くの国(日本も含む)においては、今度とも成年後見制度を判断能力の低下した人々の権利をより擁護できる制度に成長させるべく、研究や提言をしていく必要があると強く感じた。
 これを機会に他国の制度にも関心をもち、日本の制度がより良いものになるように努力していきたと思った。
                    司法書士力武秀幸

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