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2017/12/26(トピックス)

今年最後の業務研修

 12月23日に、佐賀県司法書士会所属の三池功講師および冨永雪春講師、福岡県司法書士会所属の及川修平講師による本年最後の業務研修が行われた。講義のテーマは、主張立証マスター講座伝達研修、遺産承継業務への取り組み、民法(相続関係)改正についてであった。

 最初に、三池講師による講義においては、金銭消費貸借契約の事例をもとに相談を受ける時に気を付けること、聞き出すべきことおよび証拠の有無など確認事項の話が行われ、その後、訴状や陳述書作成の際に記載すべきこと、記載すべきでないことの説明が行われた。陳述書の記載事項については、書籍などが無いため弁護士がさまざまな角度から検討を加えて配布資料にまとめられており、裁判業務を行うときに役立つ実戦的な内容になっていた。書籍のない部分の研修ということで今後の業務において役立つ内容でとても参考になった。

 次に、冨永講師による講義においては、遺産承継業務全国担当者会議の報告が行われた。遺産承継業務は、死亡した被相続人の預貯金の解約・相続人への分配などの手続きを司法書士などの専門家が相続人に代わって行う業務で、現在、全国的に受任件数が増加している業務である。報告の中では、遺産承継業務を専門的に扱う団体の設立やパンフレットの作成などの取り組みが紹介された。近年になって急増している業務であるため、業界全体として広報・広告や研修が必要で、そのための情報共有ができた講義であった。

 そして最後に、及川講師による相続関係の民法改正の講義が行われた。民法改正の検討が進む中で現時点での最新の論点や新設される制度の説明が行われた。相続関係の民法改正は、嫡出でない子の相続分に関する最高裁判決が大きく影響しており、法律婚の配偶者を保護する制度の充実が検討されている。
 まず、配偶者(夫など)の死亡後に残された配偶者(妻など)がそれまで住んでいた建物に引き続き住むことができる居住権が創設される予定である。
 その他には、自筆証書遺言の要件の緩和や遺言の保管制度の創設、相続人以外の者が被相続人に対して療養看護などを行った場合の特別の寄与を評価する制度の導入などの検討が進んでいる。民法が現代の環境や現代人の意識に合わせて変化していることを強く感じた。

 今回の研修では、裁判業務に関する実戦的な研修、遺産承継業務に関する全国での取り組み、民法改正に関する講義が行われた。すぐに業務に取り入れることのできる知識から将来的に生かすことのできる知識まで幅広い知識をを得ることができた。事件数の少ない案件や急激に事件数の増えた案件は、対応が難しく、研修により他の司法書士のやり方や考え方を学ぶことができる。今回も講義を受け、司法書士と情報交換をしたことで新たな知識・考え方を学ぶことのできた研修になった。

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